草津温泉感謝祭も中止に! 今年はイベント全滅か。
今年、開催されると75回目となった草津温泉感謝祭が、武漢ウイルスの影響で中止となりました。
毎年、8月の1日、2日にかけて開催されるお祭りですが、初めて中止となるそうです。
楽しみにされている方には残念なお知らせです。
この草津温泉感謝祭というのは、古い伝統がありもとは、無病息災を願って、丑の日の丑の刻にはいる時間湯でされていた行事です。
時間湯をご存じない方に説明しますと草津温泉には明治のはじめから平成まで時間湯という伝統的な湯治がありました。(今は時間湯という名前はありますが本格的な湯治としての機能はなくなっています)
高温の湯を湯もみ板で温度を下げ、集団で一斉に三分間の入浴を行い、体をよくしていくという伝統湯治法です。
ここでは湯長を中心にルールを守り、規則正しい生活をすることで体の調子を整えていくのです。
そこで無病息災を願い、丑の日の丑の刻に集まり、祝いをして入湯するのが丑湯祭りであり、その流れを組むのが温泉感謝祭です。
ですので町内の温泉施設、各共同浴場を女神が湯を組み上げる儀式も昔は牛に乗って町内を回ったという話です。
今は温泉感謝祭として観光客用に見栄えを良くして人気のお祭りとなっていますが、伝統やルーツという点においての意義は失われつつあります。
時代において変遷するものだと言ってしまえばそれまでですが、意義や根幹のない祭りにどれだけの価値があるのかは疑問ですし、それを踏まえた上で開催するのとしないのとでは、大きな違いがあります。
草津温泉において湯治文化というのは、町の歴史であり、先人から培ったルーツであります。しかしながら、観光と経済を優先してその自分たちの根源を忘れるようであれば、ただただ形式をなぞるだけの退屈なつまらないものに成り下がることとなります。
先人が大切にした伝統と意味を理解した上で、その考えを尊重したとて形が変化しようとも精神性は失われない。
それが重要なことではないでしょうか。