長雨になった夏、草津の天気を考察する。
草津温泉の天気と気候
今年(2021年)の夏は全国的に大雨が長く続く珍しい年となりました。特に西日本では甚大な被害をもたらしており、被害にあわれている方にはご心痛いかばかりかと察しいたします。
一説には近年の温暖化の影響により、日本付近にある前線が押し下げられて停滞する現象が近年起きているといいます。
オホーツク海高気圧と太平洋高気圧が日本上空で拮抗し、冷たい空気と湿った空気が入り込み大雨を降らす前線が居座るというそうです。
気象庁では梅雨前線の延長とはとらえず、これを停滞前線と考えてるという報道もありました。
ニュースではここ数年、梅雨の時期、台風の季節には西日本を中心にかなりの大雨、洪水の被害が出ている印象です。
気象庁の発表を見ても、西日本特に九州においては毎年のように、大雨による洪水、土砂災害の事例が報告されています。
近年言われている異常気象ですが、毎年続けば、これは異常ではなく状態となっている感じはあります。
その要因として挙げられているのが、温室効果ガス(CO2)の排出を要因として世界規模で気温が上昇する温暖化があります。
この温暖化については、異論を唱える科学者や専門家もいますが、学術的なコンセンサスにおいてCO2が影響を及ぼしているという意見はほぼ一致しているので今のところは気温上昇が温室効果ガスによるのは間違いないでしょう。
このことを踏まえて、ローカル地域である群馬県の草津温泉でも気候の変化などがどうなっているのかを見ていこうと思います。
概況
草津は、標高1000メートルを超える高地にあり、夏は涼しく、冬は寒い地域である。
群馬に西側という位置にあるにしては、もっと緯度の高い地域の気象になる。
夏、冬問わず気温、気象の変化が大きく、いわゆる山の天気という印象を与える。
降水量は1728.7mm 群馬県の平均1396mm 気温は低く、雨は多く降る気候といえる。
因みに全国の降水量ランキングでは444位、群馬県内では4位に当たる。これが多いか少ないかはあなた次第だ。
降雪については1991年から2020年の調べで
最深積雪(積もった量の最高値)2月で94センチ、
降雪の深さ(ある時間内に、地表に降り積もった雪などの固形降水の深さをいいます。
気象庁では正時値と1時間前の正時値との差を求め正の値を正時値の降雪量(降雪の深さ)としています)
これも2月では28センチとなる。
基本的には夏は涼しく、冬は寒い。雨と雪は多めで天気は日中を通して変わりやすいというのが肌感である。
草津の四季
あくまで所感ではあるが、草津温泉の春夏秋冬がどのようなものかを述べたいと思う。
しゃくなげの花
春は遅い草津
草津ではゴールデンウィークまでは雪が降る。とはいえ大雪になるのは1月、2月がピークでそれ以降は降っても積もる雪にはなっていかない。風は白根から吹き降ろす風が強く吹くときもあり、冷たい。三寒四温というがくさつでは四寒三温という感じ。
桜はソメイヨシノではなく、山桜でこちらも5月のゴールデンウィークあたりが咲く時期となる。草津に入る道路沿いを山桜が出迎えてくれるのは見どころである。その他シャクナゲも春にさく花で草津の名物であり、この頃の草津は色彩が豊かになる。
白根の高原ルートが開くのもゴールデンウィークなのはこの時期まで降雪、路面凍結があるからだと考えられる。
白根の火口湖
夏は白根の風が吹く
夏でも草津は30℃を超える日はほとんどない。路上では気温がそれ以上に上がるかもしれないが、草津節にも「夏は暑さ白根の風が吹くよ」とあるように、涼しい風が吹くためさわやかな気候となる。とはいへ、日差しは強く、日向にいれば汗をかくほどには暑い。
昔はクーラーいらずだったというが、近頃はエアコンがないと厳しい暑さになっている。温暖化の影響と考えられる。
天気は変わりやすく、午後、夕方になると突然の雷雨が激しく降ることもしばしば、基本的に午後は天気が崩れやすい。出かけるときは雨具が必要となるだろう。
白根の山から天候は崩れていくのでそちらの雲の様子を見れば雨が降るのかどうかの予想はつく。この季節の雨はすぐに上がったり、短い間隔で降ったりやんだりを繰り返したりする。そして朝になればまた晴れるという日も多い。
秋は涼しいを超えて寒い。
遅い春とは違い、涼しい秋の紅葉は早い。8月1日から3日ごろに行われる草津温泉感祭が終わると、草津に吹く風に秋の気配が漂い始める。
9月に入ると気温は徐々に下がり始め朝晩には冷え込んでくる。紅葉は白根の山から下りてきて町中まで達するのは10月の初旬から中旬ごろになる。
秋雨前線があるので雨も降りがちだが、夏と違い1日中晴れている時もある。
冬の湯畑
長く寒い冬
気温は真冬で暖かければ日中でも3、4度ぐらいある。寒いときは氷点下10以下という感じ。
雪は、早ければ12月の中旬から降り始め、遅くとも12月の下旬には初雪となる。ピークは1月から2月で大雪となると一日で腰ぐらいまで積もるときもある。近年では道路の融雪が進み、路上に降り積もるところも少なくなっているが狭い路地などに車で入ると冬仕様になっていない車は立ち往生する危険もある。
湯畑にはイルミネーションされた大きなツリーが登場し、季節を感じさせる。温泉の熱さとの寒暖差が激しいので事故が多いのもこの季節。
基本的には五月まで雪が残るので寒さは長く続く。それだけに温泉のありがたみは大きい。昔の草津は冬住といって、冬の寒さの厳しいときは下の六合村に降りて過ごし、5月になると戻り草津で生活したという。
生産物がないし、経済的な事情もあっただろうが寒さが厳しいということを物語っている。