草津温泉にもライブカメラが次々設置、YOUは見られている。

 

 草津の町を席巻するライブカメラ

 ライブカメラ。それはインターネットを通して遠隔で場所や施設などをリアルタイムに見ることができる装置(デバイス)である。

 近頃はインフラの整備が進行し、日本全国でその設置が急速に伸びている。そして草津温泉も例外ではない。

 

 

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 群馬県にある草津温泉では近年町中にライブカメラ及び監視カメラを設置する方向にあり、2022年3月時点では湯畑周辺、草津道路、スキー場などにライブカメラが設置され24時間365日、Youtubeを通じてみることができる。

 

 湯畑のライブカメラ

 

こちらは誰もが知ってる草津湯畑。

 

地蔵堂周辺

こちらは地蔵の湯周辺、新しく設置されたカメラなので画像は鮮明。

 

 

階段を上がった上の漫画ギャラリーと隣接するカフェ。

 

 

国道292号

こちらは、草津の入り口につながる国道292号の様子。草津に上がってくる或いは下っていく車両の様子がわかる。

 

草津国際スキー場

こちらは草津スキー場の様子。

 

 ライブカメラへの賛否

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 ライブカメラは自宅に居ながらにして世界中のカメラが設置された場所の映像が楽しめる。

 近年動画配信の普及により多くの地域で導入が進んでいる。草津町においても始めは湯畑、西の河原のライトアップを映すためにライブ配信を始め、それがスキー場、監視目的の強い白根山山頂、元白根。そして草津の玄関口である前口、道の駅周辺と増えていった。

 草津の魅力を多くの人に発信できるというのは、ポジティブな面だ。草津は道路の凍結もあるので生で現場を見られるというのも大きなポイントである。

 観光地だからこうしてライブカメラの映像を通じて草津をアピールして集客に努めようとする意図はわかる。

 しかし、観光地であるがゆえに顔を常に移されることへの不快感も持つ人もいるだろう。また住民のプライバシーという点に関してもきちんと守られる必要がある。

 

 また、懸念点は草津におけるカメラというのは別の意味合いがあることだろう。

 

 監視のための設置

 防犯という意味合いで設置されるのが防犯カメラであるが、ある特定の住民を監視するために設置される場合もある。

 それは気にくわない、自分の意図にそぐわない人物を監視するために設置するのだが、名目はもちろん防犯のためだ。しかし、その実監視をして行動をチェックする。

 そのチェックした内容は裁判であったり、不正の探索などに利用される。

 防犯カメラの使い方としては正しいかもしれないが、それが大きな力を持っている組織がやっているとしたらこれほど怖いものはないだろう。

 また設置に関しては、町長のトップダウンで行われており、議会はこの件に限らず町長に逆らえないので政策はスルーされる傾向がある。議論が地域住民に知らされないまま進められる可能性もある。

 

 

 そして、ここで問題となるのがプライバシーの問題である。

 個人情報保護法というものは近年ニュースでも話題となっており、監視社会において個人のプライバシーをいかに守るのかということが重要視される時代となっている。

 それを鑑みてこの個人の権利の侵害にたいして保護をしようというのがこの法律である。

 監視カメラの場合においては個人を特定することでその情報が外部に漏れないことを遵守し、特定する映像及びその情報を使用する場合は個人へ通知しなければならないということだ。

 この個人情報の保護はインターネット時代において非常に重要な法律であり、もしそれを犯すようなことがあれば、それは違法になってしまう。例えばライブカメラが自宅ずっと映していたらどうだろうか。それは監視されているのと一緒ではないだろうか。また特定の施設に出入りする様子を撮影してチェックする行為なども慎重に取り扱う必要があるだろう。

 

 温泉観光地としての考察

 草津温泉においてライブカメラで常時配信は必要なのだろうか。これは賛否両論あるが、少なくとも設置される場所への配慮は必要だろう。各施設の同意を得るとか、プライバシーに配慮した角度で設置するだとか。

 こうした事前の準備がないまま設置するとなると配慮が足りないばかりか、大きな問題になる可能性もある。

 また、観光客の中には旅行に来ているところを見られたくないという人もいるだろう。癒しの空間、安らぎの空間をうたっているところに、監視されているように映るライブカメラも違和感を覚える人もいるだろう。

 新しい試みを実行するのは良いことだが、一方的な押し付けで施設を作ったり、同意を得ないままの設置には後々禍根を残すことになるので、観光地はよほど慎重にしなければならないだろう。

 

 ライブカメラというのはある意味時代が求めている部分もあるかもしれないが、それを運用する側のモラルが問われる。

 個人のプライバシーを尊重して、個人情報をばれないからと言って悪用することが無いよう。十分に気を付けてほしい。