草津の新名所「裏草津」に広場などが完成 新たな名所に
湯畑の裏に公園が完成
群馬県の草津温泉といえば、たくさんの湯が流れている町の中心地、湯畑は有名だが、その周囲に建つ大きな旅館の大東館の裏手に当たる地蔵地区は、観光客が押し寄せないひっそりとした空間である。
その地蔵地区の地蔵堂、地蔵の湯の周辺を整備してゆったりとくつろげる空間ができたというのが今回のお題である。
もともと、ここには地蔵の湯、足湯、地蔵の公園はあった。それをすべて一新して新しい草津の名所にしようというのが、今回のプジェクトである。
総工費2億6千万。
足湯は以前のものを新たに作り直し手洗い場を併設し、地蔵の源泉には屋根を付け、目洗い場を新設、地蔵の湯の横に階段を付けてその上の空き地に、まんが図書館、カフェを作った。
その上の空間はデッキ、ベンチ、そして棚田上の植え込みを整備して、夜にはライトアップを施してある。
開放感のある作り
湯畑整備と同様の建築デザイン事務所が手掛けているため、統一感はある。
こうしてきれいに整備されることは、観光にとっては新しい観光スポットとして期待できるだろう。作りはニュースソースを見ていると、それほど人の入込は期待せず、くつろげる空間を作りたかった模様だ。
採算度外視で公共施設を作れるのだから、草津温泉は恵まれているのだと感じることができるだろう。
本来であれば、高台のカフェに業者を入れてオープンをしたかったようだが、この不景気に応募もなく、引き続き募集をするらしい。家賃や利用については話し合いでまとめるそうだ。
草津温泉「地蔵高台施設等」指定管理者の募集について | 草津町
地蔵地区とは
そもそも、地蔵区とはどういった場所なのであろう。古くは、時間湯という湯治場を中心に湯治宿や置屋があった場所と聞いている。
時間湯は、草津伝統の湯治法であり、高温に3分間の入浴をして、それを繰り返すことにより体を治していくという手法である。この地蔵の時間湯はつい最近まで行われていたようだが、町長の政策に合わなくて、今は行われていないらしい。時間湯のあとは貸切風呂にする予定だという話だ。
そしてその地蔵の源泉を見守っているのが地蔵堂である。屋根が出来て見えにくくなってしまったが、地蔵堂は地蔵地区のシンボルであり、目あらい地蔵があるように目の病気に効くという言い伝えがある。
つまり、これも湯治にまつわる歴史があるといえよう。湯治が流行れば、その人の流れで湯治宿も流行るということで、地蔵区には多くの湯治宿があったらしい。
今の地蔵の湯のところには山田屋という、山本一太知事の実家があったというし、道を大滝の湯へ降りていく両脇には湯治宿が並んでいたそうだ。人の行きかいも多く、今よりも賑わっていたらしい。
そして地蔵から急坂を下った今の大滝の湯のあたりには、ハンセン病患者の集まる湯ノ沢地区があったそうだ。
つまり、この地蔵の地区というのは古くは、湯治としての中心地であり、多くの湯治客でにぎわった場所であり、その名残が時間湯であり、地蔵堂である。
今ではその面影はなくなってしまったが、地蔵の湯の隣にある月洲屋がかろうじて当時の湯治の雰囲気を伝えている。
今後の地蔵地区はどうなっていく。
地蔵の観光スポットがリニューアルしたことで、ある程度は人の流れが期待されるところだが、言われているようにゆっくりと癒される空間であるというコンセプトから、多くの人を集めて、賑わうということはないだろう。
また場所的にも広さはなく、ゆっくりと散歩でもしてくつろぐという使い方になる。
足湯をして、地蔵の湯につかり、カフェでくつろげれば観光客のニーズにはとりあえず合致するかもしれない。
しかし、裏を返せばそれだけである。
この地蔵区に関しても、コンテンツとしての魅力が足りない印象だ。
まさか、この整備で終わりということもないだろうがいかがだろうか。
結局のところ、いくらきれいにしようが、癒される空間にしようが中身が伴わなければ、うわっ滑りしているだけになってしまう。
それは何故なのだろうかと考えた時に、やはり歴史を継承していない建造物、知的好奇心を満たすのに不十分な施設だと考える。
なぜ、まんが図書館なのだろうか、何故百年石の制作なのだろうか。地蔵堂とのつながりがそこにはあるのだろうか。草津にゆかりがある漫画家というが、どのようにかかわりどのような歴史があるのか。 湯治場としての伝統は何処に見られるのだろうか。リラックスとか癒しというあいまいな表現で草津温泉を語ってしまうと日本一の温泉への軽薄感が出ると感じてしまう。
そいうしたものの説明が十分にはなされていないことに普通感を覚える。
癒しを標榜するなら、当然湯治とのつながりが突出している場所として飛び出たものがあるのかといえば、そこはトーンダウンしている。
時間湯もなくしてしまったので、そのあたりに何か、意図するところがあったのだろうか。
草津のテーマーパーク化という新しい試みをしたかったのかもしれないが、現時点では普通のきれいな公園の域を出ていない印象だ。
今後の展開に期待をしたい。
守らないやつは粛清です。
自治体を悩ますごみ問題
家庭、事業者から出るごみの処理はどこの自治体でも頭を悩ます問題でしょう。処理をする側だけでなく、排出する側もどのようなルールでどう出せばよいのか迷い、近頃では複雑な分別に頭を悩ますこともあります。
リサイクルが進み、海洋プラスチックごみなどの環境への影響が危惧されることもあり、これからもごみの取り扱いは益々大事になっていくことでしょう。
これまで都市部と比べてごみの分別が比較的大雑把だった地域でもこれからはきちんと分別、指定日を守る。事業者回収のごみは分けるときちんとルールに則った仕訳が必須になると思います。
そして、草津町もそれは例外ではありません。
上記の文章が、町より出ました。新聞の折り込みをするということは、町もこの問題を深刻に受け止めていると証拠だと思います。
草津町のごみ分別の状況
草津町では分別に関しては、可燃、不燃の分別に、プラスチックごみ、びんかんごみ(リサイクル)と大まかに3種類の分別になっています。回収はほぼ毎日ありますが、決められた曜日に、決められたゴミ出しをします。例えば第一週月曜日は不燃ごみだとか、第2週の水曜日はリサイクルごみだとかです。
ごみの分別については、瓶の色だとか、プラスチックの種類だとか細かくは分類されていません。リサイクルごみはびんかんプラスチック一緒にまとめてもよいですが、リサイクルセンターで分別しているので、出し手によってはそこを分別している人もいます。
都市部と比べると大雑把な印象ですが、これも事情があります。草津の町は古くからいる町民もいますが、観光業が主体なので他所から来る人もかなりいます。また町から出る人来る人の往来が頻繁にあるのでゴミ出しのルールを徹底させるのが近隣と比べてなかなか難しい面があります。
また昨今では、国外の従業員も増えてその遂行がますます難しくなっています。ほんらいなら、家電などのリサイクルごみは事業者の回収ですが、ごみ置き場に捨てる例が町の各所であります。
そうした場合、出した人を特定するのは難しく、結局はその地区で処理をしなければならなくなります。本来は出し手が処理するのを各地区の負担となっているのが現状です。
事業者も本来事業ごみは専用に回収していますが、一般ごみとして出すごみもあるため、従業員に対するルールの徹底がなされいるかも問われてくるところだと思います。
今回の町長の折込もそうした経緯を踏まえて、ごみの分別徹底を促すことを目的としたものなのでしょう。
このようにごみの分別の仕方も各国の言語を載せて、HPで掲載しています。配布もしておりやれるだけのことはしているのですが、分別の意識が高い人はみますが、そもそも意識の低い人には効果は低いでしょう。
町長名で折込、警鐘を鳴らす意図
黒岩町長は折込が大好きです。HPなどの告知を使わずこうして警告を出すのは上から締め付けて徹底させようという為だと思われます。
得意である法律を駆使して、強く警告することでこのごみ問題をよりよく改善させようということです。
実際に黒岩町長は守らないものへの圧力をかけます。ルールを犯した者は徹底的に叩くという方針です。
ルールは、議会など行政の決めたルールであり、その頂点に立つ町長の意向は強く反映されています。草津町は町長のオール与党体制なので町長の意向=議会の意向が成立しやすいのです。
ですのでこうした折込をいれて警鐘を鳴らすことは効果があるのです。
このような状況で、口さがない人は草津町は、中国共産党の体制だとか、北朝鮮の体制のようだとかいう方もいます。
確かに狭い町なので、誰が何をしたかはわかりますし、隣目の監視から悪いことはできないという雰囲気もあります。
また同調圧力も強くて、特に町の行政の意向は通りやすい地域といえます。しかし、このごみ問題に関してはルールはルールでありきちんと分別して、指定の日に出すのは環境にも処理する側にとっても良いことなので、徹底することは良いと思われます。
草津町が中国共産党体制なのかはわかりませんが、黒岩総書記が、実力を行使し、法律論をかざしてお願いすることは理にかなっているかと思われます。
6つの源泉のちょっとした裏話
草津の源泉は6つあるが、あまり知られていない裏話。
新聞の記事中には6つの源泉が草津にはあることが紹介されている。
その6つとは、
- 湯畑源泉(ゆばたけ)
- 万代鉱源泉(ばんだいこう)
- 白旗源泉(しらはた)
- 地蔵源泉(じぞう)
- 西の河原源泉(さいのかわら)
- 煮川源泉(にがわ)
である。
草津温泉は酸性度の高い温泉で、一般には硫黄泉として知られているが、正確には酸性・含硫黄ーアルミニュウムー硫酸塩ー塩化物泉(硫化水素型)と呼ばれている温泉だ。
酸性泉であり、硫黄やアルミニュウム、硫酸塩が含まれていて、なおかつ塩化物泉であり、硫化水素も溶け込んでいるという意味合いである。
一言で言うと多様な成分が含まれている酸性泉。ということだ。
白根に降った雪の雪解け水が長い時間をかけて草津の町へ流れ込み、その流れ込む前に毛細血管のように地中を伝い各場所で自然湧出した。
その代表的なポイントが記事に上がっている6つの源泉なのである。
草津温泉は高温かつ、希少金属などの微量金属も含まれており、湧きだす場所によってPH(ペーハー)や含まれる成分が微妙に違ってくる。
それが源泉の性格に現れるのだが、その差を観光客が見分けることは難しい。しかし、古くは湯治の湯として使われてきた温泉であり、その微妙な違いも活用して温泉の利用を促進してきたこともあった。
今ではその違いを分かる人も少なくはなってきたが、記事で紹介されていないことも含めて補足させていただこう。
湯畑源泉
草津温泉といえばほぼ、この湯畑のイメージがあるだろう。湯花を採取する樋があるのが特徴的だ。湯花は記事にあるとおり採取量は減っている。その原因が何なのかははっきりしない。温泉脈の変化という声もあれば、引用のし過ぎという声もある。いずれにせよ昔より湯量が減っているは確かだろう。
古くは、今の滝のように流れている湯畑下部には打たせ湯があり、ほぼ無料で利用できたなか有料の浴場あがり、入浴していたらしい。
そして今の足湯になっているところには、松の湯という時間湯があり、今の手洗い場になってい所には馬のための温泉があったという。
昔の草津は湯畑周辺を指しており今のように開けてはいなかった。まさに湯畑といえば草津温泉そのものであろう。
記事で紹介されているなかで気になるのは、八代将軍おくみ上げの湯であるが、湯畑の中にある碑は、もともと湯畑の下にあったものを現町長が移した経緯があり、碑が立っているところがくみ上げた場所ではないことは留意したいところだ。
また、千代の湯の時間湯の源泉は湯畑ではなく、熱の湯源泉でありそれも千代の湯の共同浴場とは分けてみる必要がある。
熱の湯はもともと時間湯が行われていた場所であり、今は観光スポットになったが、伝統的な湯治場であった。湯もみもショーとして行われている揉み方ではなくもっと豪快、かつ繊細な揉み方であり、その技術の継承はなされていない。
湯畑の源泉からはさまざまな旅館、家庭へ湯が供給されているが、ハンセン病施設の楽泉園への供給パイプもある。遠く離れた場所でも湯を送ることができる草津温泉のパワーと湧出量はこのことを見ても日本一というのにふさわしいだろう。
万代鉱源泉
万代鉱の特徴はとにかく酸性度が高いので、入浴の刺激が強く人によってはちくちくするという感覚になる。肌の弱い人にはそのまま入るにはあまり向かない温泉である。
それもそのはず、この源泉は硫黄鉱から偶然に掘り当ててしまった湯で、自然湧出ではない源泉である。
他の源泉より高いところ、つまり山に近いところから湧くため温度が高く湧出量が多い。そのため多くの施設で利用されている源泉である。
白旗源泉
白旗の湯ももともと時間湯があった湯である。現在の場所ではなく茣蓙の湯の隣の源泉の場所にあったという。
昔は源泉の上に時間湯を建てるのが普通だった。今の共同浴場で観光客でも一番熱い湯が楽しめる場所である。その温度は時に48℃をあるのではないだろうか。草津では42℃を推奨しているが時間湯は潰してしまっても、健康上問題ある温度を使っても伝統を守ろうとしているのだろう。
地蔵源泉
地蔵源泉はちょうど湯畑の裏にある小さな源泉で草津の中でも良質な湯が沸くと有名であり、ファンも多い。現在は開発がすすめられ徐々に整備されている。
もとは時間湯を中心とする湯治場と湯治宿で構成されていたが時代の変化とともに湯治色は薄まっていった。記事には時間湯があるように記載されているが、現在の地蔵時間湯は町長の元、廃止となり湯治の歴史は終わっている。
それは時代の流れではなく、町長の独自の判断で文化の継承が途絶えたのは問題がある。けっして光は当たっていない。
地蔵区の整備に関しても箱モノ行政という批判も出ている。作ったはいいがコロナ禍で採算は見込めるのか。維持できるのかと不安はつきない。
西の河原源泉
西の河原は湯畑同様、ライトアップがなされ幻想的な雰囲気がある。歩道、足湯も整備され人気の観光スポットとなっている。
河原の中ごろに東京大田区の穴守稲荷の分社がある。
その近くにあるのが鬼の茶釜と呼ばれる源泉が湧き出す岩がある。誤って入った人がやけどを負い救急車騒ぎになったことがあるくらい湯は熱い。湯畑など周辺で湯治のできない人がこの西の河原にきて入浴した話もある。
煮川源泉
この6つの中では白根から一番下にある小さな源泉。源泉と湯舟が近いことから温度が保たれ地元のファンも多い。
湯畑から離れているとはいえ、白幡に次ぐ高温が楽しめる湯である。浴槽は狭いがお湯は良質である。
草津の共同浴場は概してどこも温度がある。観光客が入れるのは白旗、地蔵、千代、煮川、あとはコロナの影響もあり、今は町民のための浴場となっている。
気を付けたいのは入るのは、入浴は自己責任ということである。とくに飲酒後の入浴は危険である。毎年どこかの浴場で人が浮いている。
また、地域の人の日頃の浴場でもあるためマナーを守って入浴されたい。そうして気持ちよく入れば、草津の湯はきっと旅の疲れをいやしてくれるだろう。
早期のワクチン接種、早期の火消しを図る。
自治体の長が住民に先駆けてワクチン接種
各地方自治体において、その長たる責任者が、コロナワクチンの接種を優先して行っているという話題が取りざたされている。
そして群馬県においても9市町村の町村長がワクチン接種をしていたという記事が上毛新聞に掲載された。
医療従事者、そして高齢者とコロナに感染するのリスク、重篤な症状に陥りやすい人から優先して行われているワクチン接種であるが、そのような中、自治体のトップが優先的にワクチン接種の優遇を受けているのではないかという疑惑がもたれている。
そうして声の中、草津町長の黒岩氏も、その批判にこたえるために5月18日付で新聞折込を打った。
黒岩町長新聞折込を打つ
セクハラ問題の時と同様、全国のニュースになったため黒岩町長も早めに手を打ったようだ。
それがこちらの折込。
いつもどおり、B4裏表に記述があり、十分に説明責任を話す内容になっている。
しかし、例によって文章量も多く、忙しく長文を読む暇のない諸兄にはこの文章を最後までよくことは少し苦痛であろう。
要約をすると次の主張となる。
- 町長は高齢者(74歳)である。
- キャンセルがあったので破棄はもったいないので接種した。
- 行政の長になにかあったら大変だ。
- ワクチン接種は順調である。
- 町民からは感謝されてる。
- 草津温泉はコロナの不活化に効果がある。
- 白根の火山対策は万全を期している。
コロナのワクチン接種をしたことについての説明は、上の色の変わっている三点である。
あとの項目については、コロナ対策の説明であったり、草津温泉の効果であったり、白根の火山に関することで自分がどれだけ尽力しているかを町民にレクチャーする内容となっている。
説明責任は果たされたのか。
今回の折込を読めば、町長がなぜコロナのワクチンを予約を待たず受けたのかはよくわかる。
打診があり、破棄をなるべく避けるように指示があったため、予約があったにもかかわらず、急遽接種した。
それもこれも、行政のトップの責任は重く何かあったら、行政の遅滞を招く結果となる。
自分がいなければ行政は動かない。だから接種した後も休まず働いている。
接種も順調、白根防災も万全、温泉もコロナに効果がある。私は頑張っている。分かるな。分かるだろ。
確かに、この文章では説明責任は十分に果たされている。
しかし、新聞購読を行っているのは草津でも限られた層で、折込をしたからといって新聞を取っていないところには行き届かないのが残念なところである。
広報ということであれば、HPを使う手もあったが従来通りの方法で町民に告知している。
結果的にみれば、町長のワクチン接種に関しては、大した話題になってはいない。74歳という高齢者であり、優先されるワクチン接種の対象者であることも批判的なものはない。
しかし、新聞の折り込みで饒舌に語ることは、自らは負い目を感じているのであろう。理由はあるにせよフライングに変わりはなく。味方によっては優遇と取らかねない行為だからだ。
そこで説明責任として、自分の考えを述べたのであろうが、しかしこれも見方によっては、言い訳と自慢話に終始していると取られかねない。
文章も、説明にしては高圧的な感じがあり、自分の正当性を主張し、実績を誇示して相手の反論を許さない印象である。
確かに説明責任は果たしているが、印象としては正直、微妙なところである。
というのも、自分はこれだけ頑張っていますという主張が全面に出すぎていて、挙句町民からもお礼を言われたと自ら言ってしまうあたり、イタイ人、を感じてしまう。
非がないのなら、堂々としていればよいという思いはわからなくもないが、
自慢話をつけ足してしまうあたり、疚しさと突っ込まれたくないという心の表れが見えてしまう。
ちょっと、この人大丈夫かと感じる。
いずれにせよ頑張っているのはわかるし、早く打ったからといって別に高齢者なんだから悪くはないと思うが、心労があるのか。ちょっとこの文章からは心の不安定さを感じる。
セクハラ裁判で疲れているのだろうか。
偶然の産物、草津温泉に大型旅館が少ない件
草津温泉に大型旅館が少ない理由
日本の温泉百選では18年連続、温泉大賞では9年連続、もう一度行きたい温泉では6年連続2位の日本一の草津温泉。
緊急事態宣言も続き、コロナ禍の影響があるなかでも、若者を中心に多くの方が訪れている。
近年では湯畑を中心に開発が進み、整った景観が観光客に人気のスポットとなっている。
下の記事では草津温泉は、栃木の鬼怒川と比較され大型宿泊施設が廃墟化している鬼怒川と違い草津は景観が保たれているとある。
確かに草津の湯畑周辺の多いな旅館と言へば一井と大東館があるがそれ以外は小規模な旅館、もちくは飲食店であり、高い建物はない。
簡単な記事なので、興味のある方は参照されたし。
この記事のなかで言われている、何故草津温泉は大規模な旅館が少ないのか、そして温泉場の雰囲気が保たれているのかを少し深堀していこうかと思う。
湯畑周辺の保護政策
知らない人のために話すと、草津温泉は群馬県の西部の山間にある草津町を中心に湧いている温泉である。そしてその中心には湯畑と呼ばれる大規模な湧出地帯が存在する。
この湯畑と呼ばれる大量に源泉が湧く地域は昔から草津の中心地であり、多くの旅館がひしめき合って建っていたということ。江戸期から有名な草津温泉であるため、そのころは湯治を中心に湯治宿が主流であった。
その後、二度の大火をへて旅館が入れ替わり、戦後は観光へとシフトしたことから観光客向けの旅館が湯治宿に変わって台頭してきた。そして、町長経験者の一井と大東館が勢力を持つとリゾートブームにも乗って、大きな旅館を建てた。
町長という権限がなければできたなかっただろう。
だから、この二軒は競って建てられた例外であり、土地の面積や地価からいって記事にあるように建てる場所がなかったのだ。
そして、もう一つは温泉利権の保護があった。リゾート法によりリゾート開発のブームが押し寄せると温泉の保全と保護を目的に外部の業者に対しては、高額な温泉供給費を条例で制定して外部からの資本流入をある程度規制した。
温泉条例は少しは緩和されたが現在もその効力は続いている。
そして、日本一の温泉集客を誇る草津だけあり、湯畑周辺は金を生む土地である。取引価格は最低1億以上、しかも湯畑中心部の土地は外部の人間には決して売らず地元で回すという暗黙の了解がある。
そのため、資本を持つ旅館や飲食店、土産物屋などの商売人、いわゆる草津のアッパークラスが土地を押さえるという構図が出来上がった。しかし、その中で誰が土地を持つかの争いがあり、旅館同士は決して協力関係や草津全体の利益を求めるものではなくあくまで自分と血縁の利益の共有が第一義におかれたため、互いが互いをけん制する形となった。
草津のアッパークラスは議員となり、情報を共有して草津の情報をコントロールして外部からの勢力をできるだけ排除し、温泉利権の保護に努め経済の安定を図るというのが草津のシステムとなった。
それは基本的には今も同じであり、互いに仲の悪い旅館同士でも、こと草津の外部から入り込んでくる勢力に関しては一致団結して排除に動くという。
つまり、湯畑周辺で大規模な旅館が存在しないのは、地元ではまとまらず、外部からの勢力には排除に動くというシステムが機能したからであり、決して中長期的な景観の保護が目的とされたのではない。
では、湯畑にある一井と大東館がなぜ大きな旅館を建てられたのかということも上の構図で説明がつく。
この二つの旅館は、互いに町長を輩出して競い合ったのだ。ビジネスの場合競い合うことは悪いことではないが、地方都市では一方が権力を握るとすべて総取りとなる。土地の権利、役場に絡む出入り業者の選定、配宿に関すること、工事業者、修理業者、役場サービスまですべてに影響を及ぼしてくる。
そこで町長の地位に就いたときに旅館の大型化を進めたのがこの二軒であり、今はその後遺症で一方は身売り、もう一方は負債に苦しみファイナンスのお世話になっている。
歴史と伝統文化は本当に守られているのか
記事にも出ている湯畑周辺はきれいに整備され、現在では観光客を魅了している。
確かに街並みは、景観条例のおかげて統一感があり、湯畑の整備できれいな建物になっている。
訪れる観光客にとっては、湯畑、整えられた施設、ライトアップと魅了させるには十分な整備がなされたであろう。
しかし、湯畑周辺というのは草津にとっては経済的、商業的重要値であり、かつ歴史的にみても文化的側面を持つ地域である。その一つが共同浴場であり、湯治の文化、そして歴史遺構の存在である。
そして歴史的な側面から見れば、この湯畑の整備は決して歴史にならったものではない。
観光者として訪れる一晩限りの仮初の客であれば、綺麗で済まされるだろうが、草津の歴史、文化に興味のある人にとっては、この整備は果たしてほんとうに魅力的なのであろうか。
熱の湯は湯もみのショーをしているが、本当の湯もみを披露する場所ではない。ショーとして成立するにしても、湯治場の名残を残すにとどまり、湯もみの本当の意味を体現する場所ではない。
御座の湯にしても昔の面影を継承したものではなく、単に名前だけが残っただけの新しい建物だ。
湯畑を歩いて昔の歴史が学べるわけでもなく、ただ土産物屋と食べ歩きだけ。
もちろん、魅力がないわけではないが、視点を変えればもっと魅力的になる余地を残しているのではないか。
そうした意味において、綺麗に湯畑が整備されたとしても歴史的、文化的遺産というべき観点では、至らずと言ったところであろう。
温泉が良いだけにそれに頼りすぎるきらいがあるのが、草津の悪いところだ。もっと自分たちの魅力を検証して、訪れる人の多様なニーズにこたえることが出来れば、もっと発展する町づくりができるのではないか。
それ鍵となるのは、街並みをきれいにすることではなく、自分たちの歴史と文化を大切にして、正しく知識として知ってもらう努力をすることが、これから求められるのではないか。
ワクチン接種が始まるってばよ
<h3>コロナワクチンの接種が始まりました。</h3>
いよいよ、コロナのワクチン接種が草津町でも始まりました。対象年齢は65歳以上で、段階を追って広げていく感じです。
接種の費用はもちろん無料。ファイザー製のワクチンを21日あけて、2度接種するそうです。結構大変ですね。
ワクチン接種に関しては、いろいろ反応があります。心待ちにしている方もいれば、副作用が怖くてワクチンなんか打たないという人もいます。
だからどのくらいの人が打つのかは、開けてみないとわからない状態です。
コロナが蔓延しているわけではないので、都会と比べて危機感は薄い方だと思いますが、それでも温泉地で観光地なので商売に響くからと、打つ人も結構いるのではと予想します。
コロナワクチンの接種について
https://www.town.kusatsu.gunma.jp/www/contents/1615190313928/files/wakutinsesshu.pdf
<h3>温泉地としての対策</h3>
緊急事態宣言が首都圏で発令されて、観光への影響はまだまだ続くのが現状ですが、人の往来は以前と比べて多くなっている印象です。自粛疲れが起こっているのかもしれませんが、去年でも首都圏ナンバーの車は流入していたという話なので、来る人は来るという感じでしょうか。
町としては万全の対策をしていますというアピールもあるし、ワクチン接種は最重要課題になると思います。
しかし、先行して行われている医療従事者へのワクチン接種も予定より遅れているとの話もあるように、予定通り行われるかは分かりません。
国としてもワクチン接種は後手後手に回っている状態ですので、更なる遅延があってもおかしくはありません。
徐々に観光客が戻ってきている現状で、町としては出来るだけのことをやるしかないと思います。
<h3>プレミアム商品券の住民への特別処置</h3>
長引く経済の冷え込みに対して、町も住民への施策として、プレミアム商品券2万円分を1万円で買えることを実施してます。
一人につきなのでこういった場合、家族が多いとそれだけお得となります。購入している方も多いのではないでしょうか。町の主要な店では使えるのでこれはありがたい対策だと言えます。
こうしたことを素早くできるのは良いです。困っている世帯が多い草津ではありがたいことです。
給付金の時も町民には上乗せして現金が配られましたので、財政は心配ですが町としては出来るだけのことはやっているという印象です。評価できるでしょう。
緊急事態宣言で再び苦境が続く
そうとはいえ、コロナの影響は予断を許しません。変異株が異例のスピードで広まっているというニュースもあります。果たしてコロナワクチンがこの変異株に効くのかは、まだ分かっていません。
海外では効果が出ているとか、変異株には効かないだとか、情報が錯綜しているのでなにが正しいのか、情報を精査していかないといけません。安易に鵜吞みにせず正しい知識で、冷静になる事が必要ではないでしょうか。
フェイクを信じれば、それだけパニックや差別につながる恐れがあります。
過度に恐れず、とはいへ慎重に毎日の手洗い、うがい。消毒、マスクの着用と。防御を怠らないことが大切と感じます。
一人一人が気を付けなければ、どこから襲ってくるかわからないのがウィルスですので油断はできません。
<h3>今後の草津</h3>
今年も予定していたイベントは中止か、未定となっています。5月のイベントは恐らく中止。
その後のイベントもあまり、状況的には芳しくないといったところです。パンデミックが収まっても、いつ感染爆発が起こるかもわからない状況では、多くの人が集まるイベントは中止にせざるを得ないでしょう。
そして、それが続けば、集客という面で観光地は更なる打撃を受けるでしょう。
いや、もはや以前の草津にはもう戻らない気がします。
人を避ける、間隔をあけるということは人をある意味遠ざける対策であり、その行動に人々が慣れてしまえば自然と人の多くいく場所は避ける。イベントにはいかない。ホテルや旅館も収容人数を下げなくてはならない。
飲食店も密を避ける対策を取らなければならない。
そうなれば、やはり以前の草津は望むべくもないでしょう。業態変化についていけない事業者は淘汰されていくでしょう。
嫌が応でも。
草津温泉の湯治が死亡しました。
時間湯が終わった件
時間湯の長期湯治は完全終了しました。
令和3年3月31日をもって地蔵の時間湯は完全閉鎖となった。草津の象徴と言われ、長い歴史を誇った湯治文化も為政者のさじ加減で、消え去ることをまざまざと見せつけられる出来事ではないだろうか。
病気を草津の湯で治すというこれまで培われてきた湯治法は唯一無二の世界でも類を見ない日本が誇る伝統文化だったが、地蔵の湯の時間湯が消えることでその文化も歴史も終わってしまった。
もちろん終わらせたのはのは、黒岩信忠町長である。
時間湯とはなんだったのか。
時間湯は草津の伝統的な入浴法で、古くは江戸時代の末期から行われていたという。
それまでは草津には湯治はあったが、確立した方法というのはなかった。
だが、草津の湯の熱さに耐えられる集団での入浴が広まり、
その中、湯治客であったこうように桂燕玉による湯もみが始まり、板で湯を撹拌し湯加減と当たりの調整が進んで行った。
医療制度が整っていない時代には時間湯は医療の補完役として発展し、多くの湯治客が押し寄せ、湯畑を中心にいくつもの時間湯が作られ、それに合わせて湯治宿が軒を連ねた。
そして集団入浴と共に号令と統率をするものが現れた。
それが湯長である。
湯長は各時間湯にいてそれぞれ湯の技術を競争しながら磨いて行った。湯治の手法はもちろん湯もみの技術、湯治客の生活のアドバイス。安全管理。客同士のトラブル解決など、仕事は多岐に渡る。
そして現在まで行われてきた。48度以下、3分限りの入湯法は東大医学部物理療法科と地元の布施医院の研究により出来上がった。
しかし、日本の医療制度の発達と経済成長による生活変化により温泉利用は観光へと向かい湯治は衰退してゆく。
しかし、その効能と独自の入浴法から時間湯は、時代の変化はあれど常に求める客は後を絶たなかった。
特に現代病とも言われる皮膚疾患、免疫疾患の湯治客からは絶大なる指示があり時間湯はいつの時代でもそのニーズに答えるように進化していた。
gair.media.gunma-u.ac.jp
昔の時間湯を詳しく知りたい方は上記リンクを参考にされたい。
黒岩信忠町長の失政。
黒岩町長は去年、薬機法に抵触するとの見解を示し、湯長制度を廃止し、湯温を44度以下とした。
その代わりに時間湯を無料開放して湯もみと入湯は湯治客に任せる形態の新しい時間湯を発表した。
その過程で両湯長に会計不正があるかのように議会で答弁し、時間湯の指定管理者の更新をせず両湯長を事実上首にした。
その後時間湯は去年の4月から無料開放して、千代の湯は新たに管理者を雇い、地蔵は2名以上の入浴とした。
しかし、今回、ついに地蔵の時間湯は客が来ないからということで閉鎖となった。
つまり町長の時間湯改革は失敗に終わったということだ。
ではなぜ町長の時間湯改革は失敗に終わったのだろうか。
最大の原因は湯治客のニーズを理解していなかった点にあると思う。
湯治客が何を求め、何を欲していなかったかの見極めができなかったことが失策の原因である。
基本的に湯治に来るお客は体を良くしたいと思い草津までその効能と独特の湯治の方法を求めてやってくる。
とはいえ入り方やはもちろんどのような過程で良くなるのか、湯治はどのように行えば良いのか、温泉を使いどのように治していけば良いのかは全く知らない状態で来るだろう。
また、入浴の形は知っていてもどのような過程で病気が改善していくのかも分からない。つまりアドバイスがなければいくら良い湯でも用法が分からないのである。
町長がやったことは病院を無料で解放します。
でも医者はいません。薬は使って結構ですが悪くなってもそれは自己責任ですよ。
さて、そんな病院に行きますかという話である。
答えは明白、それは人が集まらなかったことで証明されている。
もちろん、医療行為云々の話があるというが、今までうまくいってきたシステムを結果、壊してしまったことには変わりない。失敗である。
今後地蔵の時間湯は有料の貸切風呂になるということも聞くが、
それこそ何がしたいのだろうか。伝統を守るのが貸切風呂化だとしたら、迷走しているというしかない。
温泉文化の捉え方。
温泉の入浴は日本が古来から親しんできた文化である。
古くは病や傷を治す薬として、また癒しや健康増進のため、そして観光やレジャーなどで楽しむため、それぞれ目的は違えど温泉を利用する文化と歴史は脈々と伝えられてきた。
草津においても同じで、湯治として、観光としての文化と歴史は繋がってきたわけである。これは一人の為政者が同行できるものではなく草津が育んできた大切な温泉に対する心であろう。
形式的には、湯もみショーや今もなお残る千代の湯の時間湯があるが、本質的な意味において時間湯がいま機能しているとはいいがたい。
温泉文化とは、時代に左右されず、その実質的機能を伴いながら未来に継承していくことが文化であり、それを蔑ろにする行為は文化破壊といっても過言ではない。
また、法律においては様々な解釈があり、ひとつということではない。法律に根差すのは秩序と幸福の実現にあるだろう。誰もが望まず、不幸になる人を作り出す政策では、いくら法律に則るとはいえ、
それが正しいとは限らない。文化の継承はたやすいものではない。そして簡単に壊すものでもない。時間湯が改革されてわずか2年弱で150年の歴史が終焉してしまうのは、どこかの国の文化遺産破壊に見えてしまう。
これからの湯治。
温泉における湯治というものは、観光一辺倒だった温泉利用を見直す機会であり、昨今湯治に注目が集まっている。
ヘルスツーリズムという観点から温泉を利用する形態も増えており今後はコロナの影響の中ますます多様化していくのではないか。
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草津においては、その独自性をもった時間湯が存在していたのだが、それを生かすだけの考え方を持っていないことが惜しまれるところであろう。
しかし、やる気があれば、時間湯という伝統入浴法は価値があるし、草津の文化として世界に誇れるものとなるだろう。