温泉入浴とタトゥーの問題。

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日本温泉地域学会の研究発表会が、浅間温泉にて開催されました。

 

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研究会としては、初の試みですが、

 

一つのテーマに絞り、各分野の専門家が研究成果を発表するという形式によって、

深く学んでいこうという形になっていました。

 

そのテーマとは、、

 

「温泉入浴と刺青」です。

 

 このテーマはとても、深いものでした。

 外国人旅行者が増加する中、刺青を入れている人の入湯をどう捉え、考えていくかという講義内容です。

それぞれ、事例、意識調査、刺青の文化歴史、医療かアートか、現場の対応、法的解釈と様々な角度からの掘り下げを行い、質疑応答によるセッションが組まれていました。

活発な発言と鋭い指摘により、とても濃い、素晴らしい内容の研究会となりました。

 

 また、そこで感じたのは、日本人の意識の中にある刺青=犯罪、悪、それを是としてきた公の機関、とくに警察による暴力団排除に従い、暗黙の刺青の排除の方向、日本人の意識にある刺青に対する忌避感覚があげらます。

 

しかし、外国人の多様な文化と歴史、個人の自由との衝突により、今、入湯の問題が起こり、いままでグレーだった判断が、結局現場任せになっている状況です。

 

これは、どこか時間湯の問題に似ていると思いました。刺青を入れているというだけで差別があり、偏見や誤解を生む。肌色に近いシールを張るなどの対処の仕方でさらに自治体自体が差別を助長する。

 

 湯治に対しても、病気の者、見栄えが悪いというだけで排除をされる。入湯がグレーゾーンという出だけで行政は二の足を踏み、避けて、問題を先送りにする。解決をしようとしない。あるいは場当たり的な解決しかしない。

 

そこにあるのは、事なかれ主義、物事の本質を理解し解決しようとする意欲の欠如です。

 

外圧により、ようやく入れ墨の入湯問題は、クローズアップされてきましたが、マイノリティや弱い立場の意見や立場を尊重しないあり方というのは、けっして看過すべきものではないでしょう。

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  温泉地域学会では、広く会員を募集しております。興味のある方は温泉地域学会のホームページをご覧になるとよいかと思います。