草津町の選挙はカオス、世紀末覇者はだれか。

草津温泉のある草津町で町議会選挙が行われた

全国で地方統一選挙が行われた先の4月23日(日)草津町でも町議会議員選挙が行われた。

地方の田舎町の選挙ではあるが、今回の選挙に関しては話題が多い選挙であった。

 

今回の選挙の見どころは

  • 新井祥子議員の立候補があり、どのような結果になるのか。
  • 交通死亡事故を起こして執行猶予付きの有罪判決を受けた黒岩卓元町議が出馬して選挙に当選するか
  • 新井祥子議員を支えた中澤康次前議員が当選するのか。
  • 反町長を訴えた井田剛文候補が当選するのか。

 

 という点にあった。またその他にも、黒岩町長から干されたグループから上坂国由元町議が久々に出馬したり、新人の商工会長の直江新吾候補が受かるのかというところもポイントであった。

 

 というのも草津の町では今、黒岩町長と新井祥子の争いのほかにも、町長の圧倒的支配を嫌う向きがあり、今回の選挙ではその支配力がどの程度なのかを図る指標にもなっているからだ。

 地方の政治を見れば、政治力というのがどのように行使されるのかがよくわかる。大都市に住んでいると政治力の行使というのが感じられない希薄なものとして意識されてしまうかもしれないが、地方では暮らしにダイレクトに反映される。

 そのためより身近なものであるし、より切実な問題なのである。しかし、多かれ少なかれ政治が国民生活に大いなる影響を与えていることがわかるように草津町の選挙を詳細に掘り下げていこうと思う。

 

2023年の町議選の選挙結果

 

開票速報

  候補者 得票数
当選 直井 新吾 542票
当選 金丸 勝利 458票
当選 上坂 国由 327票
当選 湯本 晃久 319票
当選 小林 純一 267票
当選 黒岩 卓 251票
当選 安斎 努 248票
当選 市川 祥史 188票
当選 有坂 太宏 179票
当選 宮崎 謹一 174票
当選 安井 尚弘 134票
  中沢 康治 81票
  井田 剛文 45票
  新井 祥子 27票

午後9時17分選管確定。開票率100%。無効41票、不受理・持ち帰り0票。敬称略。中沢康治氏は繰り上げ当選の権利を獲得した

(上毛新聞サイトより)

草津町議選2023【選挙特集】 | 上毛新聞社のニュースサイト

 

 結果は御覧の通り、1位当選は、商工会と町長をバックにつけた直井新吾。2位は常にトップを走っていた公明党推薦の金丸勝利、3位は旧桜井グループの一角、久々の出馬の上坂国由となった。

 

 争点となった議員の当落は?

 

 何かと話題の新井祥子候補ですが、27票の得票率で最下位となりました。さすがに起訴された時点で完全に終わった感がありますが、それでも出てきたことには、驚きと怒りがあったかと思います。また町長側の全力阻止も功を奏したといえます。

 というのも今回新人で立候補した直井新吾がトップという選したというのは、新井祥子潰し、反町長潰しが成功した印だからです。

 新人で公明党候補を抑えてトップ当選ということは、町長側からかなりの締め付けがあったと予想されます。

 草津町は毎回選挙となれば、公明党推薦候補が一位を取ってきました。しかし今回は取れなかった。この答えは、先に述べた通り飲食店、旅館一丸となって反新井を貫いたこと。そして公明党の力が若干衰えてきたことを示唆するものだと思います。

 飲食、旅館業の従事者はとにかく経済対策をしっかりやってもらいたいことが重要政策と捉えています。そのためには早くごたごたを何とかしたいというのが本音です。

 

 3位の上坂氏の得票数があらわすのが、町長との和解が成立している。桜井グループの後押しがあった。というのが見て取れます。町長への忠誠を守ることを約束しなければ、この得票はないと見ます。半面反町長の評も取り込んでいる感があります。

 

 そして中目すべきは7位に入った黒岩卓候補であります。

 

1人死亡、1人重傷の交通事故を直近に起した黒岩卓前議長

 

www.jomo-news.co.jp

 昨年の7月8日に長野原町の国道で、一人死亡、一人重症の交通事故を起こした前町議の黒岩卓氏が出馬し当選を果たした。

2023年の7月26日には議員を辞職したが、このほど執行猶予付きの判決が出たために規定上は、選挙に出馬可能となった。

しかし、社会通念上、今回の出馬はどうなのかという疑問の声が聞かれ、草津町のモラルが問われた選挙でもあったが、見事当選という結果になった。

 

  過去にも今回当選した議員の中で息子の不祥事で出馬を取りやめた議員もいるため、今回の出馬、当選は当然のことながら、問題とはなるだろう。

 

 新井祥子候補は最下位の27票

 

 草津町を混乱に陥れた新井祥子氏は、ダントツの最下位の27票しか取れなかった。

今回は前回の出馬と違い、検察から起訴がなされ、応援する会は解散、フェミニスト団体からも総すかん。町長派が大攻勢をかけての結果なので当然であろう。

 

www.jiji.com

news.nifty.com

 性被害を受けたことが虚偽として検察が在宅起訴したということで、確実な証拠を警察が抑えたということだろう。本人は裁判で白黒つけるようだが、世間的には起訴された時点で性被害が嘘だということがばれている。少なくともレイプなどの行為がなかったことは明らかだ。

 今後は裁判で争われるだろうが、本人からのコメントが欲しいところである。

 

元湯長も得票を得られず

 

 時間湯の湯長制度が廃止となってから、反町長派の唯一の候補として立った井田剛文氏であるが、圧倒的権力の前では及ばす。票を伸ばすには至らなかった。

 黒岩町長独裁政権のなか唯一、町長に逆らった政策を訴える井田候補であったが、組織票と締め付けが幅を利かす草津町では、組織票を持たない弱みがもろに出た感じである。

 さらに議員定数削減、反対候補の擁立と黒岩町長がなりふり川まない手段に出たため、きびしいたたかいとなったのであろう。

 

 

今後の政局

 

 まず注目されるのは、果たして黒岩 卓町議が議長に返り咲くのかというところ。前議長という肩書はあるし、受かったという面もあるが、やはり交通事故を起こした人物がこの短期間で議会の議長になるということは異常だろう。常識が通用しない町なのかどうか、今後の展開が見ものである。

 

 また、町長の政策に反対している町の住人への粛清も始まる。具体的には公共サービスの縛り、町の役職への排除、行政にかかわる仕事の排除、訴訟、そして町長権限の行使というところだろうか。

 草津町はall or nothing 自分に異を唱える側は徹底的に排除して、自分に従順なものを優遇する。こうした歴史があるため今後も起こってくるだろう。

 とくに上毛新聞と名誉棄損の裁判をしている井田氏に対しては、表立って対立している唯一の町民であり、独裁の完成には邪魔になる存在であり、ますます締め付けが強くなると予想される。

 こうしたことも踏まえてみると草津町というのは、温泉だけでなく、政治闘争という面で見ても独特の町だという印象だ。